皆さんも一生に一度くらいは疑問に感じたことありませんか?
自分は精神的に正常なのかどうなのか?他人と比べておかしいところはないのか?
逆に自分の周りの人のことを精神的におかしい、変わっていると思ったこともあるはずです。
私が患者さんを診た時にその人に治療が必要かどうかは以下の3点で判断しています。
@「本人に苦痛があるかどうか?」
A「他人に迷惑をかけているかどうか?」
B「社会生活がきちんと送れているかどうか?」
統合失調症や人格障害の患者さんで、病識が欠如しており、本人に苦痛が無くても、他人に迷惑をかけていたり、社会生活が送れないのであれば、治療の対象になります。特に幻覚や妄想などは本人も苦痛だけでなく、自殺未遂や犯罪に結びつくこともあり注意が必要です。
逆に上記の3つがクリアー出来ていれば、どんなに風貌が変わっていて、言っていることがおかしい人でも治療の対象にはなりません。
その人に苦痛がなくて、誰にも迷惑をかけず、しっかり仕事や家事などが出来ており、最低限度の人間関係が築けていれば、精神的には問題ないと言って良いと思います。
例えばゴッホの躁うつ病や太宰治の境界型人格障害、スピルバーグ、ビルゲイツの発達障害などは、その症状がその人にとってプラスに働き、社会的には問題なく生活できておりますので、治療の対象ではありません。
人には、それぞれ個性というものがあり、遺伝的素因や生育環境で変化し、考え方や性格もさまざまです。それらに対して良いとか悪いとかは、その人の主観や価値観に合うか合わないかの問題であり、それでその人が精神的に正常なのか異常なのかなんて決めることは出来ないですよね。
でも、もし「色々なことで悩んでいて辛い」「社会生活に支障をきたしている」のであれば治療の対象になります。その場合はその人が病気なのかどうかは関係ありません。
病気なら薬で治りますし、性格の問題であっても、自分でそのことを自覚し、考え方を変えたり環境を変えたりすることで劇的に良くなりますよ。気軽に相談にいらしてください。
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