仁和医院ホームページ
п@047(358)7321
ホーム 診療方針 所在地 診療時間 患者さんからの? Drプロフィール 掲示板 リンク集  私の診断・治療法
患者さんからの?

実際外来でも非常に多い訴えですが、
安定剤よりもアルコールやタバコほうが
よっぽど害があると思いますが・・。

ここでは、日常の診療でよく患者さんに聞かれることを簡単に説明したいと思います。
 

| 前の質問 | 質問内容の目次に戻る | 次の質問 |

4  安定剤を飲むのに抵抗あるんですけど。
 ほとんどの方が感じていることではないでしょうか?精神科や心療内科というと、どうも薬漬けというイメージが強いみたいですね。
 
 現在日本で出ている安定剤や睡眠剤の多くはベンゾジアゼピン系といわれているもので、脳内のGABA受容体というところに作用します。(飲酒時にアルコールが作用する場所と同じと言われております)

 薬理作用としては、大きく4つの作用があり、抗不安作用、鎮静催眠作用、筋弛緩作用、抗けいれん作用で、その作用の強弱で抗不安薬、睡眠薬、てんかん薬などに使い分けているのです。

 その他に薬によっては抗うつ作用もありますが、重症なうつ病にはあまり効果はありません。(即効性がありますので、抗うつ薬が効くまでの間は併用することが多いです)


 副作用としては眠気やふらつきが約10%の患者に生じるといわれ、高齢者などでは転倒につながることもあるので注意が必要です。

 あとは大量に摂取すると呼吸抑制や健忘症(記憶が飛ぶ)脱抑制(気分がハイになる)などを認めますが、健全な方が通常量内服して起こることはまずありません。(アルコールと安定剤を一緒に服薬すると安定剤の作用が増強し、少量でも起こることがあります。)

 他の項でも書きましたが、
ビールコップ一杯の方がよほど体に害があります。

 あとは依存の問題ですが、確かに長期間連日安定剤や睡眠剤を服用することで薬を止めると眠れなくなったり、調子が悪くなることがあります。

 即効性があり比較的効果が強く半減期が短い薬剤に多いのですが、その場合効果の弱い薬や半減期の長い薬に変更し徐々に暫減すれば中止することが出来ます。
 
 抗不安薬や睡眠薬の他に抗うつ剤や抗精神病薬と呼ばれるカテゴリーの薬があります。これらは、うつ病や統合失調症、パニック障害、強迫神経症などに効果があります。
昔のこのカテゴリーの薬はとにかく副作用が強かったのですが、近年使用されている新薬は副作用はほとんど認めず依存傾向もありません。(効果発現までは時間がかかります)
 
 自律神経失調などでも、病状が不安定な時期には非常に苦痛を伴います。そこに不眠などが加わるとますます病状悪化し、社会生活が困難になることもあります。

 他の項でも述べましたが病状不安定な時期は脳内の自律神経やホルモンのバランスが崩れているんです。ですから、カウンセリングや環境調整などでも症状が改善しない場合は薬の力を借りるのも一つの手段と思われます。

 人間の体というのはほとんどの病気に対して自然治癒力というものを持っており、精神系の疾患でも例外ではありません。

 安定剤や睡眠薬は自然治癒する期間を短縮し、十分な睡眠などで自然治癒しやすい環境を作る働きを持っています。

 当然治癒した後にはきちんとした医師の指導のもとで内服を中止することも可能ですので心配せずに内服して良いと思いますよ。

初めての立ち


ホーム 診療方針 所在地 診療時間 患者さんからの? Drプロフィール 掲示板 リンク集  私の診断・治療法


ここでの文章での文責は 竹川 敦です。
niwaiin@yahoo.co.jp ご意見・ご質問等のメールはniwaiin@yahoo.co.jp にお願いします。